自己啓発本の問題点
継続性がないこと
精神科医・名越先生によると、自己啓発本の問題点は、
「継続性がないこと。」
頭の中の考え方が変わったとしても一日のスケジュールが変化しなければ人は変わらないというのが名越先生の主張。
全くその通りだと思う。
残念ながら人間は、外部の力(習慣・環境など)を借りないと自分で自分を律しつづけることはできない。
ただ頭の中で念じ続けているだけでは確実に限界がくる。
三日坊主などで自分の頭のだらしなさに失望した人は多いと思う。
でも、それが人間のおおかたの頭の作りだから、しょうがない、と思っている。
環境・習慣の力は思っているよりも大きい
自分の経験上、人間は環境が8割。習慣が8割。
自分の頭から生まれてきたと思い込んでいる思いとか考えは、(自分ではそうだと分からなくても)8割くらい周りの環境・習慣に左右されているものだということ。
割合はともあれ、自分の思考力より環境・習慣の力の方が上回るというのはかなり真実味があると思う。
ただ、理屈では説明できないのもあって自己啓発本では無視されがちではないだろうか。
自己啓発本のロジック
自己啓発本の多くは、新たな考え方・知識を身に付けて思考方法が変われば生活が変わるというロジックでできていると思っている。
周りの環境が息苦しい時、自己啓発本が救いになるのは間違いないと思うが、書かれている思想に持続性はない。
では、本当に効くものとは?
環境・習慣を変えること
答えは小さな日々の習慣の中にある、というのが私の考えである。
スイスの哲学者・ヒルティは著書の中でこのようなことを言っていた。
「大きな一大決心は全く意味がない。それどころか、直ちに行動に出ない決心は有害ですらある。」
あるいは水野先生の『夢をかなえるゾウ』のやり方も参考になる。
靴を磨く、トイレ掃除をする、募金をする、人を笑わせる、身だしなみに気を付けるetc..。
この本は分類的には自己啓発本だと思うが、ひたすらに実践的なので自己啓発本の域を超えている(と思っている)。
大したことのないと思われるような小さな「良い」習慣の積み重ねが満足度の高い、幸せな人生に繋がるはずだと思う。
さいごに
以上、『【考察】自己啓発本はなぜすぐ効かなくなるか』でした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
参考
・ヒルティ著『幸福論』 (難解な哲学を問題視したヒルティさんが書かれた、実践的・庶民的な哲学書)
・水野敬也著『夢をかなえるゾウ1 』